2014年4月15日 : 一般財団法人農政調査委員会への移行にあたって
2014年4月1日付けで財団法人農政調査委員会は一般財団法人農政調査委員会へ移行しました。財団法人農政調査委員会は、農林漁業基本問題調査会の答申に基づき、1961年(昭和36年)に設立されました。以来、農林水産省の補助事業や農林水産省、国土交通省等等の委託事業を中心に、各種調査研究事業を行うとともに地方自治体等の依頼を受け、地域振興計画等の立案を行ってきました。その数は膨大なものであり、各関係機関や関係者の参考に供されてきました。
現在、わが国農業・農村は、大変革期を迎えています。まず、農業労働力の高齢化の進展,担い手不足の深刻化、耕作放棄地の増加等の解決すべき多くの課題が顕在化しています。その一方で、時代を先取りする農業経営体が増加し、その生産シェアを拡大しています。また、農業の6次産業化による新たな農業・農村ビジネスも生まれています。さらに、TPPやWTO交渉では、農産物のさらなる市場開放が迫られ、その面からも農業・農村に変革を求められています。以上の変革期に対応した新たな方向付けが必要とされますが、そのためには、本委員会設立の理念に沿った国内外の農業・農村の新たな動きについての調査・研究がますます重要となっています。
財団法人農政調査委員会設立趣意書は「わが国農業は、かつて見ざる大きな変革期に当面している。[中略] さらに,貿易自由化の波が農業生産の合理化を迫られている。[中略] わが国農業はこの新事態に即応した基本的方向付けにせまられるとともに、明日への新しい組み立てを必要としている。[中略] これへの円滑なる移行のためには、わが国経済はもちろん、広く世界経済のなかにたつ内外農業の動静と、わが国農業のなかに芽生えつつある農民の自主的な胎動について、正確な紹介と継続的な調査分析を必要とする。 [中略] 新しい農業へのアプローチをし、いささかの寄与と奉仕をなさんとするものである」と述べています。
一般財団農政調査委員会は、設立趣意書の精神を現段階で引き継ぎ、従来までの「日本の農業」、「のびゆく農業」、「農」等の「農業・農村の基本問題に関する」調査・研究事業をさらに充実・発展させます。同時に、国、地方自治体、農協、企業等の要請に応えた調査・研究事業及び農業・農村の振興のための計画立案・支援事業を積極的に実施する所存であります。そのことを通じて、農業・農村への新たな方向づけに対して、いささかの寄与をできることを願っています。
設立以来、五十数年にわたって、財団法人農政調査委員会へのご支援、ご協力に対して、改めて御礼を申し上げるとともに、今後、一般財団法人農政調査委員会へのご指導、ご支援、ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。
2014年4月1日
一般財団法人 農政調査委員会
理事長 吉田 俊幸