日本の農業-あすへの歩み-
日本農業の近代化への隘路打開のため、各地域の農業進歩への試みや農業者の対応の姿を紹介しつつ、日本経済との関連で解明します。
■価格:1冊 1,320円(本体1,200円+税10%)+送料をご負担ください。
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■刊行のことば
『日本の農業-あすへの歩みー』は昭和36年以来刊を重ねて今日に至っている。この間本シリーズは,経済の高度成長と農業基本法の展開に対応して、各地域に発生したさまざまな農業進歩への試みと現地農民の自主的な対応を紹介してきた。
わが国は世界にその類をみない食糧の大輸入消費国である。そして,石油・食糧資源などの不足を契機とする世界経済の変化は、国際食糧資源の過剰を前提としたわが国の食糧農業政策を反省せしむることになった。澎湃としておこっている食糧自給率の向上、さらに優良農用地の確保、地域の総合開発整備などの新たな問題の提起がまさにそれである。
国の経済政策の急転回とともに、ややもすると中央集権化し、画一化した従来の農政は、ここに大きく軌道修正を迫られることとなった。高度経済成長による急激な波は、わが国の農村・農業・農民に「歪」と変化をもたらし、そのなかで、これからの農業の担い手が、ややもすると孤立化するという危険を招いている。しかしこのような変化のなかで、少数とはいえ、これらの担い手となる農民を核とした創意と英知による自主的絵な農業組織化への新しい胎動がうかがえることは力強い。
農業はその構造的特質のゆえに、経済発展に対していちじるしくその適応性を欠いており、農業近代化への陰路はまさにその点にあり、本シリーズはその打開の途を日本経済発展との関連において解明しようとしてきた。しかし、経済発展が高度成長から低成長へと急転回するとき、わが国の農村・農業・農民には従来と違った投影があるにちがいない。『日本の農業-あすへ歩みー』は、古くて新しいこの課題の解明を意欲をもってつづけようとするものである。
本シリーズのささやかな試みが農政の新しい展開に資するとともに、日本経済の健全な発展に役立てば幸いである。
財団法人 農政調査委員会
■バックナンバー一覧
- 第265・266集:米政策 過去・現在・未来-歴史に学び将来を展望する-
- 第263・264集:農畜産物の価格形成と先物市場-国際穀物市場に学ぶ -「農産物市場研究会の記録」-
- 第262集:米産業・水田農業の動向と 将来展望 2 ―「米産業懇話会」の記録2―
- 第260・261集:日本酒産業の新展開 ―原料調達から地場流通・輸出まで―
- 9月30日刊行『農業再生協議会の現状 ―2022年度全国調査結果―』(小川真如)
- 第259集:米産業・水田農業の動向と将来展望ー「米産業懇話会」の記録ー
- 第258集:農業・農村の持続性と多様な規模・形態の経営体の存立条件-中山間地域魚沼市統計・実態調査分析-
- 2月20日刊行『米菓に生き、ふるさと新潟を愛して』(古泉肇)
- 第257集:北海道における良食味米産地の産地構造-上川中央・比布町における実態調査より-
- 第256集:水田地帯における枝豆振興の現状と課題 -新潟県上越・中越地区-
- <日本の農業 特別号>米産業に未来はあるか
- 第255集:都市農業・都市農地の新たな展望
- 第254集:産地での米流通構造の多様な展開
- 第253集:水田地帯の農業構造の変化と家族経営 ―新潟県新潟市秋葉区―
- 第252集:新米政策下の水田農業法人の現状と課題 ―新潟県上越市―
- 第250・251集:縮小再編過程の日本農業―2015年農業センサスと実態分析―
- 第249集:庄内農業の構造変動の特質―現代的条件と歴史的条件から―
- 第248集:良質米産地における担い手育成戦略の10年
- 第247集:「地方分権改革」と農業補助金
- 第246集:一般企業の農業参入・農業経営への参画の意義と課題
- 第245集:品目横断的経営安定対策と集落営農-「政策対応的」集落営農の実態と課題
- 第244集:グリーン・ツーリズムの担い手と事業的性格-東日本スキー観光地域の民宿を事例に-
- 第243集:水田経営所得安定対策による集落営農組織の再編と法人化-兼業深化平坦地域・岐阜県海津市の事例を中心に-
- 第242集:LLP・LLCの活用による人材育成と農業経営の発展
- 第241集:中山間地域における広域的農地管理-新潟県の「広域型協定」を素材に-
- 第240集:集落型農業生産法人の組織的性格と課題-「労働参加形態」からみた組織的性格-
- 第239集:農業・農村の新たな展望
- 第238集:集落営農の労働力構成
- 第237集:食と農の乖離
- 第236集:農村地域における維持可能な循環型社会の形成
- 第235集:北海道における農村参入-就農希望者の農業従事形態と農村定着
- 第234集:青果物に対する生協組合員のフィードバック情報管理
- 第233集:農場制型TMRセンターによる営農システムの革新
- 第232集:農産物直売所とインショップの存立構造
- 第231集:公社未貸付農地の現状と地域農業
- 第230集:周辺地域における農産加工販売事業の展開
- 第229集:和牛遺伝資源の多様性保全と産地再編の課題
- 第228集:農村女性起業の経営的可能性
- 第227集:多様な地域資源利用による放牧の展開
- 第226集:農村の立地企業と就業構造-山形県と福島県の事例を中心に-
- 第225集:中山間地域土地改良区と地域資源管理
- 第224集:自立を目指す農民たち
- 第223集:条件不利集落の存立条件
- 第222集:中山間地域におけるルーラルツーリズム
- 第221集:集落営農組織の成立と展開
- 第220集:現代の民族芸能-農村地域における伝承活動と地域活性化-
- 第219集:資源管理型農場制農業の存立条件
- 第218集:水田の傾斜条件と潰廃問題
- 第217集:棚田・里山の「再自然化」と「社会化」
- 第216集:地域農業と支援方策
- 第215集:農業への新規参入
- 第214集:混住社会を創る
- 第213集:輸入野菜急増下における野菜流通環境の変化と産地の対応
- 第212集:中山間地域農業の担い手再建問題
- 第211集:中山間地域における農地管理主体
- 第210集:輸入野菜流通と卸売市場
- 第209集:「水稲作法人経営における経営展開と人材育成
- 第208集:WTO体制下の北海道農業の現状と論点
- 第207集:中山間地域における農林業・農山村活性化の取り組みと課題
- 第206集:家族経営協定
- 第205集:水稲直播栽培の新展開
- 第204集:稲作農業の発展と地域農業
- 第203集:人口高齢化と農村集落の構造変化-プロダクティブ・エイジング-
- 第202集:稲作経営の現段階とその発展の条件
- 第201集:中山間地域農業の担い手と農地問題
- 第200集:集落生産組織の人材形成と展開形態
- 第199集:中山間地域における新たな肉牛生産戦略
- 第198集:林業法人における雇用労働力
- 第197集:これまでの普及・これからの普及-東北3県・農業改良普及員OBの40年-
- 第196集:畜産の企業形態と法人畜産経営
- 第195集:生産緑地制度と地域グリーンシステム
- 第194集:農業法人経営発展の条件
- 第193集:果樹農業の国際化
- 第192集:森林社会学の政策理論
- 第191集:農協信用事業をめぐる二つの問題
- 第190集:集落移転後の20年
- 第189集:現代の農地相続問題
- 第188集:大規模肉牛経営の展開と今後のビジョン
- 第187集:中山間地帯農業の構造
- 第186集:地域発展戦略と第三セクター
- 第185集:農業経営者が語る今後の農業と経営ビジョン
- 第184集:農業構造の変化と多様な担い手(2)
- 第183集:農業構造の変化と多様な担い手(1)
- 第182集:雇用型農業経営
- 第181集:農業法人制度の課題
- 第180集:リゾート開発と農村の活性化
- 第179集:伝統市と地域社会農業
- 第178集:営農集団の法人問題
- 第177集:都市と農村の交流
- 第176集:営農集団と地域農業
- 第175集:今日の農業労災問題
- 第174集:2000人の都市観,農業・農村観
- 第173集:標準小作料
- 第172集:小麦の収穫・乾燥システムの構造分析
- 第171集:農協の肉牛預託事業
- 第170集:過疎地域のおける土地利用再編
- 第169集:地域活性化とイベント
- 第168集:ポスト四全総時代の森林社会学
- 第167集:日本の農産物貿易問題
- 第166集:計画的農地転用の諸問題
- 第165集:現代の農家
- 第164集:大山林経営の現段階と林野利用
- 第163集:牛乳の需給調整と流通構造の変化
- 第161・162集:農業批判をどう考えるか
- 第160集:養蚕経営存立の条件
- 第159集:畑地地帯の農地移動
- 第158集:田畑輪換の耕地構造
- 第157集:農業管理センターの理念と現実
- 第156集:畑地の計画的・集団的利用への諸形態
- 第155集:稲麦二毛作経営の構造
- 第154集:肉用牛産地形成と組織化
- 第153集:都市農家と土地経営
- 第152集:農地利用の再編と農地管理
- 第151集:畑地かんがいと農業の展開
- 第150集:地域農業の展開と兼業農家の存在形態
- 第149集:母村と離村者のゆくえ
- 第148集:就業構造の変化と兼業農家
- 第147集:混住コミュニティのリーダーシップ
- 第146集:地域農業の展開と主婦農業
- 第145集:「多品目・少量生産型」野菜産地
- 第143・144集:りんご生産と地域農業
- 第142集:高齢者によるむらづくり
- 第140・141集:水田利用再編下の八郎潟農業
- 第139集:村づくりの手法
- 第137・138集:施設園芸の産地間競争
- 第136集:土地改良区と農村環境保全
- 第135集:但馬牛
- 第134集:生産組織と規模の経済
- 第133集:たまねぎの産地形成と集出荷体制
- 第132集:農村地域資源
- 第130・131集:地域社会農業の可能性
- 第129集:現代養蚕の存在形態
- 第128集:生産組織と集落
- 第127集:士幌町農業とリース農場
- 第126集:自主流通米と農協
- 第125集:集落座談会
- 第124集:農村主婦の「問答学習」
- 第123集:農村の学校給食
- 第122集:生産者と消費者を結ぶ
- 第121集:ある生活改良普及員の記録
- 第119・120集:米価・米価審議会の記録 資料編
- 第118集:米価・米価審議会の記録 3
- 第117集:米価・米価審議会の記録 2
- 第116集:米価・米価審議会の記録 1
- 第115集:牧野利用と地域農業
- 第114集:棚田の再開発
- 第113集:農村・農民の健康問題
- 第112集:地域農業の発展と農協の役割
- 第111集:宮崎県「SAP」運動
- 第110集:地域農政の確立を求めて
- 第109集:協業と人間
- 第108集:公共育成牧場
- 第106・107集:沖縄の農業・土地問題
- 第105集:農家相続と相続税
- 第104集:経営受委託
- 第102・103集:農家出身のUターン労働力
- 第101集:食肉インテグレーション
- 第100集:温故知新
- 第99集:肉牛生産の存立条件
- 第98集:畑地潅漑
- 第96・97集:地域農業と農業補助金
- 第94・95集:山地における企業型酪農経営
- 第93集:イチゴの収益性格と主産地形成
- 第92集:養蚕経営の規模拡大
- 第90・91集:家畜ふんの流通利用-商品的流通への道-
- 第89集:都市農業-農業と緑の最前線-
- 第88集:“ジャンボ請負”のプロたち
- 第87集:農村における工業立地要因
- 第86集:規模拡大と制度資金
- 第85集:アグリシステム・ハンドブック
- 第84集:減反と米作農民
- 第83集:農家の老人問題
- 第82集:農村20年の変容
- 第81集:専業酪農の存立条件
- 第80集:農村工業化
- 第79集:部落
- 第77・78集:「米作日本一」の稲作技術
- 第76集:潅漑農業の地代構造
- 第75集:農山村地域開発と集落再編成
- 第74集:農村道路ネットワーク
- 第73集:消費者の青果物購買行動
- 第72集:拡大造林
- 第71集:現代の農家相続
- 第70集:日本の食糧戦略
- 第69集:水稲直播栽培の再認識
- 第68集:青果物の契約栽培
- 第66・67集:アグリシステム-経済審議会農業問題研究委員会報告書-
- 第65集:入会林野の畜産利用
- 第64集:離島の農業
- 第63集:卸売市場体系の再編成,東京都江東市場の実態
- 第62集:稲作の階層間格差-生産力視点からみた山形・庄内、新潟・蒲原、佐賀平坦の比較分析-
- 第60・61集:酪農民の現代像
- 第59集:日本人の食糧構成-栄養生理学からの予測-
- 第58集:農業の地価問題
- 第57集:林野利用,東北地方における農業的・農民的開発の実態
- 第56集:佐賀米作地帯の階層分化
- 第55集:水田の基盤整備
- 第54集:国内移住-国東半島の農業開発と移住者の役割-
- 第53集:農業の生産組織-零細農耕崩壊期における農民的適応-
- 第52集:兼業農家-労働力流出と農業構造変化に関する研究(その2)
- 第51集:機械化技術の農民的創出-北海道上川米作地帯の一稲作先進農家の記録-
- 第50集:開田-東北地方の動向分析-
- 第49集:農業と社会資本-農業に対する行政投資に関する調査研究(その二)-
- 第48集:稲作中型技術の形成-新潟県蒲原平野の実例を中心に-
- 第47集:低開発地域-東北内陸地域・南九州大隅地域・北陸山村地域の実態-
- 第46集:でんぷん経済-南九州甘藷・でんぷん生産地帯の実態分析を中心にして-
- 第45集:遠隔園芸産地の形成-高知県における展開過程-
- 第44集:稲作技術信託-愛知県における初年度の実績報告-
- 第43集:農業近代化資金
- 第42集:ブロイラーの契約飼育-関東・関西の実態分析-
- 第41集:農業経営の若い創造力-庄内平野における「あととり」農民の意識と行動-
- 第40集:規模拡大の条件
- 第39集:農業補助金の構造-農業に対する行政投資に関する調査研究(その1)-
- 第38集:農家出身者の就業形態-労働力流出と農業の構造変化に関する調査研究-
- 第37集:専門農協と組合員,専門農協の現状
- 第36集:農業コンサルタント
- 第35集:青果物価格の構造-東京都の実情を中心に-
- 第34集:あとつぎ問題-家族農業経営の承継に関する法社会学的調査研究-
- 第33集:入会権の解体と農林業
- 第32集:桑原田パイロット・ファーム
- 第31集:てん菜栽培
- 第30集:広域農協合併
- 第29集:原料乳地帯
- 第28集:市町村農政と農業集落
- 第27集:東北の山村
- 第25・26集:挙家離村
- 第24集:流通改善と蔬菜産地
- 第23集:ライス・センター
- 第22集:農業マネージャー
- 第21集:肉豚産地市場の変貌
- 第20集:工業化地域の自立農家
- 第19集:道路と農業
- 第18集:農業マーケティング-愛媛県温泉青果農業協同組合の機能分析-
- 第17集:麦の省力機械化栽培-岡山県南部地域の実態分析-
- 第16集:請負耕作-奈良・香川・埼玉・宮城の事例分析-
- 第15集:むらと統計-市町村における経済統計利用の実態と問題点-
- 第14集:農業法人と協同組合-北海道十勝平野中札内村農協の実態分析-
- 第13集:農業近代化と農民の意識
- 第12集:時期別格差と農業構造-北陸・東北諸県の動向分析
- 第11集:共同化金融の機能-秋田県農業振興資金の機能分析-
- 第10集:水稲直播栽培の普及性-昭和36年度の成績を中心に-
- 第9集:試験場と普及所-秋田県の現状分析-
- 第8集:みかんの主産地形成-長崎・佐賀両県の実態分析
- 第7集:トラクターの水田利用-兼業地域(兵庫県播州平野)の実態分析
- 第6集:トラクターの利用組織-岩手・青森両県の実態分析
- 第5集:労働力流出と生産条件整備-蒲原平野・庄内平野・仙北平野・津軽平野の実態分析
- 第4集:東北「米の会」の記録
- 第3集:共同酪農の成立条件-千葉県旭ケ丘・川島、神奈川県大野台の実態分析
- 第2集:村づくりから主産地形成へ
- 第1集:水稲の集団栽培-愛知県における実態分析-