お知らせ
農政調査委員会からのお知らせ(最新5件分)です。
農政調査委員会は農業、農村の現場から提言します - Since 1962
農政調査委員会からのお知らせ(最新5件分)です。
「次世代につなぐ!つむぐ! 富山の集落営農」フォーラム(主催:富山県、共催:農政調査委員会)
日時:2025年11月22日(土)13:30-16:30
会場:ボルファートとやま琥珀の間(富山市奥田新町8-1)
参加費:無料
参加申込締切:11月18日(必着)
詳しくは、下記のチラシまたは富山県農業経営課ホームページまで
富山県農業経営課ホームページ「「次世代につなぐ!つむぐ!富山の集落営農」フォーラムを開催します!」https://www.pref.toyama.jp/1611/kensei/kouhou/houdou/2025/10gatsu/20251122syuurakueinouforum.html
7年産米の収穫が佳境ですが、令和の米騒動が新たな段階に突入しました。
産地では3万円前後の集荷合戦が続き、消費者価格の高騰による需要減、輸入米増加及び米菓、酒造業者の原料米の価格高騰、不足、輸出拡大の減少等、様々な課題が深刻化し、7年産米の需給・価格の見通しは、非常に流動的になっています。農水省も米需給見通しの誤りを認め、米の増産と輸出拡大等の転換を提起しました。米・水田農業政策も流動化しています。
今回は、米需要の構成部分であり、主食用米価格高騰の悪影響を受けている米菓、酒造業者等向けの加工用米及び輸出米に焦点を当て、米の需給・価格動向及び今後の政策課題を検討する第3回「米産業・米市場取引に関する懇話会」を11月5日(水)に以下のテーマにて開催します。
第1報告は、我が国政策の総括、各国の動向を踏まえた今後の課題の総括的な提起です。
第2のテーマ、報告は、主食用米とともに重要な米需要構成要素であり、価格高騰の悪影響を最も受ける加工用途米、原料米に焦点を当て、その価格・需給の動向・見通しと課題、業界の存立条件についての報告と議論です。
この課題は、今後の米増産、輸出拡大等の米・水田政策の改革の方向の重要な論点であるため、特に、生産者、消費者、実需者も納得できる価格・所得政策等を議論したいと思います。
第3報告では、堂島コメ平均を活用しての現物取引でのリスクヘッジの提 案をします。
ご多忙中かと存じますが、多くの方々のご参加をお待ちしております。
(※第2報告の記載内容を一部修正いたしました。(10月20日))
【開催要領】
1.日時:令和7年11月5日(水)13時30分~16時
2.場所:日本農業研究所会議室(1階)
〒102-0094 千代田区紀尾井町3番29号
3.定員:50 名(会場参加者、リモートも可)
4.資料代:2,000 円
5.申込先:https://forms.gle/pt7vFSjZAUtgnxrL8
(QRコードからもアクセスできます)
E-mail: info@apcagri.or.jp (竹井、吉田)
Tel: 03-5213-4330 Fax: 03-5213-4331
■発行日:2025(令和7)年8月31日
■著:酒井富夫・池田太・中村 一要・石田一喜・小川真如
■在庫:あり
■ページ数:p.162
■目次:
■「あとがき」より:
富山県では、集落営農支援促進(1982年)、集落営農育成事業(1988年)をはじめ1980年代から集落営農の育成が進められてきた。また、同時に、その持続性や発展性のあり方について論じられてきた。
本書は、富山県の集落営農の現段階的性格をテーマに、著者各自の問題意識に沿って自由に論考してもらい、これをとりまとめたものである。
第1章「富山県集落営農に関する政策課題」(酒井富夫)では、あるべき集落営農の姿を考察し、その打開方法について検討を行っている。
第2章「富山県における集落営農組織の変遷と将来への再構築」(池田太)は、集落営農のねらいと現状の差異に着目しながら、事例分析や、今後の展開を考察している。
第3章「富山県の農業経営法人化の効果と集落営農の現状」(中村一要)では、富山県における集落営農の今後の方向性を見出すことを目的に、県外事例の分析や富山県内の現状を分析して、富山県における集落営農の今後の方向性を提起している。
なお、第2章と第3章は、集落営農に携わる富山県職員による論考である。また、第3章は、政策研究大学院大学政策研究科の修士論文である中村一要(2023)「富山県における農業経営 の法人化の効果―地域農業維持のために―」をベースにしたものである。
第4章「富山県の集落営農の人手不足をめぐる状況」(石田一喜)では、人口の変化とそれにともなう集落・家の変化に着目しながら、富山県の集落営農組織が存立する地域の実情と展開の方向性を論考している。
第5章「富山県における集落営農の後継者問題」(小川真如)では、アンケート調査に基づき、集落ごとに形成されている傾向が強い富山県の集落営農において、作業内容に着目しながら後継者問題の特徴を析出している。富山県の多くの集落営農が、農業従事者の高齢化・労働力不足、生産コストの増大などに直面する中、富山県においては集落営農をめぐる検討・議論が進んでいる。
たとえば南砺市で2023年6月に第1回「集落営農再生塾」が開講され、2024年度には「産業政策」の観点からのみならず、地域の存続を目的とした「地域政策」の視点も加え、総合的な視野からも議論が展開された。
富山県の集落営農の将来展望は、多様な切り口からのアプローチによって検討・議論することができ、その検討・議論の興隆や、その知見を踏まえた交流を促進することが、直面する課題を乗り越えるための重要な鍵となる。著者ごとの多様な問題意識から富山県の集落営農の現段階的性格に迫った本書が、富山県の集落営農の今後を検討・議論する際の起点の一つとして貢献できれば幸甚である。
酒井 富夫(富山大学名誉教授)
小川 真如(農政調査委員会、宇都宮大学学術院)
令和7年8月
(事業の趣旨)
この研究奨励事業は、生前わが国農政界において指導的役割を果たしてこられた故東畑四郎氏の業績を記念し、同氏が深い関心を寄せてこられた食料・農業・農村問題の実証的調査研究が新進の研究者等によって推進されることを奨励するため、一般財団法人農政調査委員会が事業主体となって実施するものです。
農政調査委員会は、1961(昭和36)年に設立された財団法人で、食料・農業・農村の基本問題についての実証的調査研究機関として、これまで数々の業績を発表しておりますが、この記念事業を実施するため、学識経験者、農業団体指導者等による審査委員会を設け、毎年定めるテーマについて優れた意図と内容を備えた調査研究計画を持つ者を選考し、その調査研究に要する費用について助成し、その成果を公刊しています。
食料・農業・農村問題が転換期を迎え、同時に、国民的関心が高まっている今日、多くの若手研究者及び関係実務者が、この事業の趣旨をご理解の上、下記の要領に従って応募されるよう期待しております。
(なお、募集対象となる研究は経済学や社会学等の社会科学の分野であり、自然科学を対象とするものではありません。)
1.わが国農業構造・経営の新たな動き
2.わが国の食料・食品流通、消費の変化と国際化戦略
3.農村・地域振興の新たな動きと課題
この事業による調査研究費の助成を希望する者は、事業実施要領に従って、所定の様式による応募用紙(「調査研究計画書」)に記入し、2025(令和7)年10月10日までに応募下さい。
応募用紙は、下記からダウンロードできます。
以下の諸機関に所属し、40歳未満の個人を原則とします。組織としての応募は受け付けません。また、調査研究費は直接、助成対象者に支給するものとします。
1.大学・試験研究機関等の研究者及び学生・大学院生
2.国、地方公共団体、農業関係の団体または企業の役職員
1.助成対象者は、提出された調査研究計画書に基づき、審査委員会において選考いたします。選考の結果は、農政調査委員会から2025年12月末日までに発表し、個別に通知いたします。
2.助成対象者は、2026年12月末日までに、その研究成果を所定の成果報告要領に従い、報告書として提出していただきます。
3.報告書は、審査委員会の審査を経て、農政調査委員会の刊行物「日本の農業」「農」として公刊もしくは「東畑四郎記念報告書」としてまとめます。なお、著作権等は農政調査委員会に帰属します。
一般財団法人 農政調査委員会「東畑四郎記念研究奨励事業」係
〒102-0094 東京都千代田区紀尾井町3番29号 日本農業研究会館4階
TEL:03-5213-4330(代) FAX:03-5213-4331
なお、お問い合わせは原則としてE-mailまたはFAXにてお願いいたします。

■発行日:2025(令和7)年7月31日
■編著:農政調査委員会
■在庫:あり
■ページ数:p.73
■目次:
■「第5章 堂島コメ平均上場の1年-現状と課題」より:
1.出来高の伸び悩み
2024年8月13日に上場し、当初の出来高は、100枚未満であったが、年末から年初に200~400枚程度の取引高に増大した。しかし、指数取引が生産者、流通業者に馴染みがないことや現先連携が制度はあるものの活用整備されていないため、生産者、流通業者の参加・取引が少なく、取引数量が伸び悩んでいる。また、取引開始以来、米需要がタイトであり、価格が高騰し続けたため、生産者や流通業者がリスクヘッジをして米を販売・確保する必要がなかったことも、取引数量の伸び悩みの一因でもある。
2.先物価格は相対取引価格と連動
価格の動向をみると、価格の初値は、17,200円であった。当時の相対取引価格は、令和5年産6月が15,865円、7月が15,626円と比べると高値であった。米不足という需給状況を反映し、9月初までストップ高が続き、9月4日には24,000円となった。しかし、需給事情や農協概算金や令和6年産9月相対取引価格か22,700円であったことを反映し、価格が低下した。その後、11月以降になると、堂島コメ先物価格は、毎月公表される「相対取引価格」に概ね連動して推移した。一方、「全POS取引平均価格」は、2024年8月以降高騰し続けている。先物価格と「相対取引価格」とは相関関係があるが、全POS取引平均価格とは乖離している。
3.随意契約備蓄米放出後の堂島コメ平均価格
随意契約備蓄米の放出と販売が開始され、さらに、追加の放出が決定された。その後の米の小売価格、相対取引価格は、さらに令和7年産の出来秋価格が注目される。堂島の先物取引価格の推移をみると、将来価格の先取りをする動きがみられる。随意契約備蓄米の販売が開始された6月1日から2週の間に10月限が1,750~1,800円の低下、12月限が1,400円の低下となった。2週の間には、ストップ安の日もあり、今後の取引価格の動向が注目される。JA等の令和7年産の概算金は、高値で最低補償と公表されている。しかし、主食用米の作付面積増、備蓄米の放出等により、令和7年産の米需給及び価格動向は、不透明になっている。随意契約備蓄米放出後の堂島の先物価格の推移をみると、令和7年産米の将来価格の先行指標の形成となる可能性もある。今後の堂島の10月限、12限価格の推移、出来高の動きが注目される。とくに、JAの概算金が高値で公表されており、従来は概算金価格が出来秋の産地価格に影響を与えているため、堂島の先物価格(10月限、12月限、2月限)を生産者や流通業者がリスクヘッジとして活用できる可能性もある。
4.堂島コメ平均の今後の課題
しかし、リスクヘッジとして、堂島コメ平均指数を活用するには、幾つかの課題がある。まず、堂島コメ平均指数は、指数取引のため、最終的には差金決済であり、生産者・流通業者となじみがない。また、堂島コメ平均では、指数現物市場(みらい米市場)が制度化されているものの、コメ不足により、現物市場が賑わなく、現先連携の稼働実績がない点である。
さらに、堂島コメ平均価格と各産地・銘柄との格差も明確となっていない。
以上の諸点のため、生産者、流通業者が堂島先物取引を活用してリスクヘッジの取引に参加するには課題がある。堂島コメ平均の活用についての関係業者への周知と共に現先連携を含む活用促進の体制の整備と堂島平均価格と現物取引価格との格差の明確化が、堂島コメ平均の活性化に必要であり、2年目を迎えての課題となっている。