2023年7月19日 : (8月4日開催)第2回「農産物市場問題研究会」のご案内
猛暑到来の候 皆様方には、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
さて、第1回「農産物市場問題研究会」は、7月11日に開催し、卸売市場政策研究所の細川充史氏による「わが国卸売市場制度の大転換と青果卸売市場の今後についての考察」をテーマとしてご講演いただきました。講演では問屋制卸売市場の発足から現在に至る歴史的経過とその展開(取引規制の法制化 → 自主的判断による取引)を学ぶことができました。
とくに、青果物の流通は大きく変化しており,卸売市場の取扱高は平成元年を
ピークに減少しており、市場と卸売会社の再編が進展しているとのことでした。
第2回の研究会は、「今後の米取引、価格形成をめぐって」というテーマで、
福岡農産の中島良一社長と日本穀物検定協会の塩川白良理事長にお願いしました。中島社長は全国米穀工業協同組合の理事長時代に画像取引も導入されましたが、「席上取引の現状と課題(仮題)」というテーマでご講演をお願いし、塩川理事長には農林水産省時代に取り組まれていた経験を踏まえ「米市場について想うこと(仮題)」というタイトルでお話をしていただき、引き続き質疑応答に移行したいと考えています。是非、多くの方々のご参加を期待しています。
1.日時:令和5年8月4日(金) 14時~16時
2.場所:日本農業研究所会議室(1階)
〒102-0094 千代田区紀尾井町3番29号
3.定員:先着50名(リモート参加も可、事務局にご相談ください)
4.資料代: 2,000円
5.申込先:一般財団法人農政調査委員会のメールアドレスまで
E-mail: info@apcagri.or.jp (竹井) 吉田・松本
Tel: 03-5213-4330 Fax: 03-5213-4331
※ 米産業懇話会の第1回から第6回の記録は「日本の農業259」として発刊しています。
「農産物市場問題研究会」の開催について
一般財団法人農政調査委員会
食の外部化、国際化のもとで、コメ等の穀物、野菜等の生鮮食料品、畜産物の流通が大きく変貌している。そのもとで、市場経由率の低下等、物流面での「市場」の役割・機能も変化してはいるが、透明で公正な価格形成やこれに加えて需給調整の場としての「市場」の役割は、依然として大きい。そこで、まず、消費・流通の変化のもとで、市場経由率が低下している生鮮食料品・畜産物の「市場」と価格形成の役割を検討する。
一方、重要な国内生産物であるコメは、市場と価格形成の場が存在しない。そのため、コメには透明で公正な価格形成システムがなく、指標価格が存在しないことによる様々な弊害(卸・小売での価格と生産者手取りの乖離、リスクヘッジ等)が指摘されている。なお、本年9月には、現物市場が設置される予定である。
しかし、コメ、小麦、とうもろこし、大豆の穀物の海外での取引・価格形成は、現物・先渡し・先物の各市場が併存している。各市場の役割と機能を分担することによって、スムーズな流通と透明で公正な価格形成を実現している。
生鮮食品等の流通・市場の役割・機能・価格形成及び海外穀物の取引・各市場の機能と役割を踏まえて、9月に設置されるコメの現物市場のよりよい発展とともにコメ市場・流通の望ましい姿とその機能発揮の在り方を検討する。
今後については、コメの国内消費の大幅な減少が予測されるなかで、米産業の未来は、コメ・米加工品の輸出拡大にある。また、国際的な米市場もアメリカ、オーストラリア、中国、ベトナム等の環太平洋地域での一帯的市場化と競争時代に突入した。
将来を見据えて、コメの市場も現物・先渡・先物市場の連携により、コメの流通・価格形成を実現の在り方及びジャポニカ米市場の国際的なセンター化の可能性についても議論・検討する。同時に、コメの透明で公正な価格形成の場の実現は、日本の米生産・輸出増大と食料安全保障に貢献できると考えられる。
「農産物市場問題研究会」は、様々な立場と多様な意見をもつ有識者、業界関係者の参加による食の外部化・国際化時代での農産物流通・市場・価格形成の在り方を議論する場である。