日本の農業:第248集:良質米産地における担い手育成戦略の10年
■発行日:2014(平成26)年3月31日
■対象:新潟県旧越路町(現・長岡市)
■報告:平林 光幸 (農林水産省 農林水産政策研究所)
■コメント:土田 志郎(東京農業大学教授)
■在庫:あり
■ページ数:102p.
■目次:
- 要旨…1
- 第1章 研究の課題と背景…4
- 第2章 2000年代以降の大規模水田作経営の動向と特徴…20
- 第3章 農協,町による水田営農システムの構築…30
- 第4章 米政策改革大綱・地域水田農業ビジョン下の地域・法人の対応…40
- 第5章 戸別所得補償制度下における地域・法人の対応…62
- 第6章 おわりに…81
- コメント…97
■要旨より:
本稿は近年,急激に増加している大規模水田経営の存立条件と農協や自治体による支援の必要性について,良質米地帯において担い手の育成を積極的に取り組む地域を事例に約10年間調査した結果から明らかにすることを目的としている。
これまで昭和一桁世代が水田農業を担ってきたが,高齢化,後継者不足により,離農が加速度的に進んでいる。それに随伴して流動化する農地を受ける担い手の形成が求められるが,こうした担い手は地域によって偏在しており,今後,平地地域においても流動化農地を受け切れる地域,受け切れない地域が生じてくると考えられる。そのため地域農業の維持存続のために担い手の育成が喫緊の課題となっている。
さらに,近年,米の消費量は減少し,米価も低下する傾向を強めており,流動化農地の集積=面的拡大路線だけでの担い手育成には限界も生じている。すなわち経営の複合化や多角化が求められている。
そこで本稿では,こうした規模拡大にあたっての課題となるいわゆる規模の経済に関わる論点や,経営の複合化・多角化の利点と論点を整理し,多数の大規模水田作経営(法人経営)が展開している新潟県旧越路町(現・長岡市)を対象に,実際に直面する経営問題や農協や自治体が行っている支援策について検討を行った。・・・
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