のびゆく農業:No.1018:アメリカにおけるTPP交渉と議会の課題
■原題:
・Fergusson, I. F., McMinimy, M. A., and Williams, B. R., “The Trans-Pacific Partnership (TPP) Negotiations and Issues for Congress”, CRS Report R42694, Congressional Research Service, November 19, 2014.
■発行:2015年2月5日
■解題:東山 寛→解題等(PDF)を読む(本編の一部を無料でご覧頂けます)
■翻訳:東山 寛
■対象:アメリカ
■ページ数:34p.
■在庫:あり
■目次:
- 解題…2
- TPP交渉と議会の課題…10
- TPP交渉の現状…10
- 農産物市場アクセス…11
- 繊維・原産地規則…17
- サービス・投資…18
- 政府調達・国有企業…22
- 知的財産・医薬品…24
- 労働・環境…27
- 「生きている協定」…31
- TPA(貿易促進権限)…32
■解題より:
ここに訳出(抄訳)したのは、米国議会調査局(CRS:Congressional Research Service)が作成している『TPP交渉と議会の課題』であり、TPPに関する比較的まとまったレポートとして知られるものである。このレポートは、交渉の進捗状況に応じて随時更新されている。今回対象とした最新版は2014年11月19日付けであるが、前回は2013年12月13日であった。ほぼ1年振りに更新されたことになる。11月のAPEC時の閣僚会合(8日)・首脳会合(10日)、また、中間選挙(4日)を踏まえての更新ということになるだろう。
レポート本体の構成は、冒頭のサマリー・イントロダクションを除けば、(1)TPPの進展、(2)TPPの戦略的な意味合い、(3)TPP諸国の経済的特徴、(4)市場アクセス分野、(5)ルール分野、(6)新たな分野及び分野横断的事項、(7)制度的事項、(8)議会の課題、という順で項目立てされている。ここでは、(4)(5)(6)に含まれているトピックを中心に、今後のTPP交渉の進捗を規定すると思われる「難航分野」をピックアップし、配列もし直した。
TPP交渉は21分野と説明されてきたが、本レポートでも紹介しているように、協定本文(テキスト)は全29章(チャプター)で構成されるのはほぼ間違いなさそうである(ボックス1参照)。テキストとは別に、市場アクセス分野としているのは、物品、サービス、金融サービス(サービスとは別立てで区分されている)、投資、政府調達、一時的入国であり、物品以外は5分野ある。そして、それぞれに国別の譲許表(関税分野)、ネガティブ・リスト方式の留保表(サービス分野)などが添付される。この他に、原産地規則では品目別細則(PSR)が、また、本レポートでも紹介されているように、国有企業でも「例外扱い」とする国別のネガティブ・リストが添付されるようである。
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