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のびゆく農業:No.1057:コロナ禍の英国農村 ―農村地域経済と社会への影響と今後―

・コロナ禍の英国農村 ―農村地域経済と社会への影響と今後―


■発行:2022年7月15

■解題・翻訳:安藤 光義(東京大学大学院農学生命科学研究科)

■対象:英国

■ページ数:40p.

■在庫:あり

■目次:

解題
Covid 19 と農村地域経済
1.はじめに
2.需要・供給サイドへの影響
3.農業
4.コミュニティと社会的距離
5.農村コミュニティにおけるジェンダー問題
6.農村地域の強靭性、対応、適応
7.回復のための手段
8.長期的な影響
パンデミックが農村地域の企業に与えた影響:経験と抵抗力
【要約】
【はじめに】
【結論】
【資料】

■解題より:

Covid-19パンデミックは各国の経済、社会に甚大な影響を与えた。社会的距離(ソーシャルディスタンス)の確保が求められた結果、人と人との接触が困難となり、そのことが経済活動だけでなく社会活動にもマイナスの影響を与えることになった。また、人の移動の禁止は観光など一部の経済活動に決定的な制約としてはたらき、外国人労働力の入国禁止も一部の産業にとっては死活問題となった。

ここで紹介するのは英国の農村地域の状況である。

1つはCovid-19 and rural economies: briefing note prepared by staff of the Centre for Rural Economy and Rural Enterprise UK, Newcastle University, April, 2020(Covid-19と農村地域経済:農村地域経済センターと農村地域企業イノベーションセンターのスタッフによるブリーフィングノート、ニューカッスル大学、2020年4月)であり、もう1つがThe effects of the Covid-19 pandemic on rural business: experiences and resilience, State of Rural Enterprise Report, National Innovation Centre for Rural Enterprise(NICRE), Newcastle University, No.1, January 2022(Covid-19パンデミックが農村地域の企業に与えた影響―経験と抵抗力―(農村地域企業状況報告書第1号)農村地域企業イノベーションセンター、ニューカッスル大学、2022年1月)である。ニューカッスル大学にはCentre for Rural Economyがあり、農村地域研究に関する分厚い研究蓄積があるが、前者は、そうした蓄積を踏まえつつ、コロナ禍が英国の農村地域に与えた影響を整理するとともに、政府にいくつかの提言を行っている。Centre for Rural Economyは農村地域における農業以外の事業、特に家族が営む自営業などの小規模企業に関する研究に強みをもっており、そのメンバーが新たに別のセンターを設立した。後者はそのセンターが発行した最初の報告書であり、農村地域と都市部でコロナ禍が与えた影響の違いがあるかどうかについての調査結果をまとめたものである。こちらについては図表の占める割合が大きかったため、冒頭の要約部分と調査サンプルを説明した最初の部分と結論を記した最後の部分だけを訳出することにした。また、報告書に掲載されている図の数字で農村地域と都市部の比較対照となるものを拾って末尾に表を作成して収録した。


コロナ禍が海外の農村地域に与えた影響は管見の限り、それほどまとまったものは日本に紹介されていないようなので訳出することにした次第である。

 

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