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講演会報告:安藤光義氏「縮小再編過程の日本農業:2015年センサス分析と現地実態調査結果」

質疑応答の様子。

質疑応答の様子。北は岩手から南は京都まで40名の参加者が集まり、講師との質疑応答や、講師やフロア内との意見交換が行われた。

2015年農業センサスの分析結果を踏まえながら、各地での現地実態分析の内容と結果について概況をご説明された上で、最後に現地実態分析の要約を示されました。政策対応型集落営農については、構成員の純土地持ち非農家化が進み地域資源管理に困難が生じている場合があることから、その持続可能性を問う問題提起をされました。このほか、個別経営はもちろん、集落営農でさえ後継者を集落外、さらには地区外に求めざるを得ない状況を迎えていることを説明されました。2015年農業センサスが明らかにした日本農業の縮小再編に関しては、「縮小」が勝るか、「再編」が勝るかのカギは経営継承が握っていることなどをご指摘いただきました。さらに、「2020年農業センサスでは2015年農業センサスよりもさらに構造変動が確認できると予想されるため、農業センサスの数字を正確に読み解くためにも、今から農村現場の動きを注意深く見守っていく必要性がある」と、次回の農業センサスを見据えたコメントをもって、講演を結ばれました。

講演の終了後は、フロアとの質疑応答が行われ、若手のいる家族経営が将来にわたっても日本農業の本格的な担い手となる余地は残されているのか、今後の農業生産技術の体系を考える上でどこに焦点を当てていく必要があるのか、などについて質疑の応答や意見が交わされました。共著者によるフロア内での質疑応答も含めて、終始和やかに活発な議論が行われました。

一般財団法人農政調査委員会では、引き続き、刊行物や講演会を通じて、食料・農業・農村に関する有益な情報を、積極的に発信してまいります。今後ともよろしくお願い申し上げます。

(文責:小川真如)

日本の農業:No.250・251の紹介ページへ

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