のびゆく農業:No.1003:農村地域経済と新しい内発的発展
■原題:
・Philip Lowe: “The Rural North: Landscapes of Endeavour and Enquiry The 2008 Cameron-Gifford Lecture”
(フィリップ・ロウ「イングランド北部農村:努力と探求が織りなす景観」)
■発行:2012年3月15日
■解題:安藤 光義→解題等(PDF)を読む(本編の一部を無料でご覧頂けます)
■翻訳:安藤 光義
■対象:イギリス
■ページ数:28p.
■在庫:あり
■目次:
- 解題…2
- イングランド北部農村:努力と探求が織りなす景観…7
- 要約…7
- 1.はじめに…7
- 2.農村地域経済の特徴…9
- 3.農村地域発展の概念化…15
- 4.新しい内発的な発展…17
- 5.知識の普及:大学と農村地域…19
- 6.大学と知識移転…21
■解題より:
「農村地域経済rural economy」と「新しい内発的発展Neo-endogenous development 」の2つが農村地域政策rural policyにとってのキーワードである。前者は、その意味する内容を的確に表現する日本語が見つからず、本稿では、とりあえず農村地域経済という訳語をあてることにした。
英国ニューカッスル大学の農村地域経済研究センター Centre for Rural Economy(CRE)は、その名前が示す通り、農村地域経済rural economyという考え方を提起し、その特徴を解明する研究を他に先駆けて推進してきた。また、そうした調査研究に基づいて新しい内発的発展Neo-endogenous developmentを提唱し、英国はもとより、EU レベルでの農村地域政策rural policyの形成に大きな影響を与えてきた。その成果のうちの一部は、既にこの「のびゆく農業」の場を借りて訳者が紹介してきたところである。
ここで紹介する、フィリップ・ロウ教授 Professor Philip Lowe の、「イングランド北部農村:努力と探求が織りなす景観The Rural North: Landscapes of Endeavour and Enquiry The 2008 Cameron-Gifford Lecture」は、2008 年4月にニューカッスル大学で行われた公開講演に基づいて作成された論稿であり(訳者は、このフィリップ・ロウ教授の講演を拝聴する機会に恵まれた)、Centre for Rural Economy Discussion Paper Series No.16 としてCREのホームページ上に公開されている。この論文は、1992年に設立されたCREのこれまでの研究成果を、初代所長であるフィリップ・ロウ教授―正確には Duke of Northumberland Professor of Rural Economyとなるが―自らが振り返って総括を行い、その意義と今後の方向を述べたものであり、CREの全体像を理解するに際して重要な知見を提供してくれる。
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