現地農業情報-農:No.294:農業における障害者の就労の事例と特別支援学校における農業に関する取組の状況について
■発行日:2014年6月25日
■報告:三森 裕(福島県農林水産部農林企画課)
■コメント:濱田 健司(JA共済総合研究所主任研究員)
■ページ数:89p.
■在庫:あり
- 構成
- 1.はじめに
- 2.障害者の農業への就労に関する動向
- 3.農業における障害者就農の事例
- 4.特別支援学校における農業に関する取組について(福島県の事例)
- 5.今後に向けて
- 《私のコメント》 濱田 健司
■【問題の所在】より:
障害者の就労問題は、共生社会の形成に向けて、またその自立を促す観点からも大きな社会問題の一つとなっている。
第2次産業や第3次産業では「障害者の雇用の促進等に関する法律」等に基づき障害者の雇用促進が一定程度図られてきているが、社会の理解は必ずしも深まっているとは言い難い。そうした中で近年農業への就労が注目されるようになってきているものの、農業分野への就労はまだ限定的であり、障害者の就農実態が広く紹介されることも少ない。
このため、本レポートでは一般の農家にとってはなお遠い存在である「障害者の農業への就労」について、園芸、畜産、菌茸など様々な農業経営における就労事例を具体的に取り上げ、障害者が担う作業内容や彼らの働きぶりなどを詳細に紹介している。一般農家だけではなく多くの人々に障害者の農業への就労に関心を持ってもらい、理解を深めてもらう契機になればと願う。
もう一つは、各地に障害者の教育を担う特別支援学校があるが、障害者の就農を促進するためには、そうした特別支援学校における農業に関する教育の充実が欠かせない。
しかし、特別支援学校での教育内容は、学校関係者以外にはあまり知られていない。そこで、本レポートを取りまとめるに当たり、特別支援学校での教育、特に農業に関するもののアンケートによる実態調査を行い、各学校における学校農園の状況や農業に関する教育の実態を明らかすることを試みた。
多くの農業関係者が、特別支援学校における農業に関する教育の実態について理解を深め、障害者の農業への就労の促進に向け、教育プログラムの改善や、農業側と学校側の協力の推進等に役立てればと思う。