現地農業情報-農:No.295:耕畜連携による稲WCS生産
■発行日:2016年9月15日
■報告:小川 真如(早稲田大学大学院博士後期課程)
■コメント:恒川 磯雄(農研機構・畜産研究部門)
■ページ数:43p.
■在庫:あり
- 構成
- 1.はじめに
- 2.埼玉県熊谷市善ヶ島の事例
- 3.埼玉県美里町の事例
- 4.おわりに
- 《私のコメント》 恒川 磯雄
■【問題の所在】より:
稲WCSの生産は、主食用米の需給調整に貢献するほか、食料の自給率や自給力の維持・向上につながる。また、家畜排泄物に由来する堆肥をWCS用稲の生産圃場に施用することは、資源循環の効果によって環境保全にも貢献する。輸入飼料に依存しながら畜産が発展した我が国において、耕種農家と畜産農家の連携による稲WCS生産は、資源循環型の農業生産システムの一翼を担う。近年、稲WCSの生産・利用が全国的に増えつつあり、こうした取り組みが一過性の出来事であるか、または持続性を持ちうるかは、今後の水田政策や畜産政策を議論する上で、関心が寄せられる点であろう。
本稿では、埼玉県熊谷市善ヶ島と同県美里町の事例を取り上げる。水田農業政策の変化や将来の不透明感がある中、耕畜連携による稲WCS生産を継続してきた両事例について、稲WCSの生産と利用の状況や、堆肥と稲WCSの流通実態を中心に紹介し、定着実態や持続性の要因等の特徴を整理する。