現地農業情報-農:No.296:新規参入者を育成する生産者組織-群馬県倉渕地域の事例を中心に
■発行日:2017年3月31日
■報告:倪 鏡(一般社団法人JC総研)
■コメント:岸 康彦(農政ジャーナリスト)
■ページ数:53p.
■在庫:あり
- 構成
- 1.はじめに
- 2.行政と生産者組織による二階建て総合支援体制
- 3.新規参入者の経営展開
- 4.終わりに
- 《私のコメント》 岸 康彦
■【問題の所在】より:
日本農業における課題の一つは、農業労働力の高齢化と担い手不足である。そのため、新たな担い手の育成と確保が農政の急務となっている。そのなかで青年新規就農者を確保する方策として注目されるのは、農外からの新規参入者の育成である。近年青年就農給付金制度をはじめ、様々な支援対策の実施により、新規参入者の就農環境が、とりわけ入口段階においては以前と比べて一段と改善されたといえよう。しかし、新規参入者の経営は依然として、「農業所得が少ない」、「技術が未熟」などの課題が多い。以上のようなことからは、新規参入者が農業の担い手として地域に定着するには、経営開始初期段階の支援だけでなく、長期的に自立可能な経営を如何に確立することが重要であろう。
本稿は群馬県高崎市倉渕地域の事例を取り上げ、新規参入者が農業経営を存続し展開する条件、特に研修・教育と就農後の技術・販売支援の在り方を明らかにしたい。それを踏まえ、個別新規参入者の就農後における経営展開のプロセスを分析し、新規参入者への支援効果を検証する。最後に、倉渕地域の事例を通して見えてきた総合的かつ継続的な新規参入支援体制を構築する課題もあわせて検討したい。