講演会報告:安藤光義氏「イギリスの農村政策―日本への示唆―」
「はじめに」では、今回刊行した「農村再考(1022-1023)」をもとに、英国の農村の状況や農村政策の課題、農村地域が抱える課題について近年の状況を確認し、以降の解題の導入となりました。
次に、「英国農村―逆都市化と農村地域経済―」では、「農村地域経済と新しい内発的発展(1003)」、「高齢化するイングランド(974)」をもとに、農村地域における起業や中高年の農村への移住の状況など、英国農村で今何が起こっておりどんな注目を浴びているのかについて詳しくご説明いただきました。
また、「労働党政権下の農村政策の展開」について、「イギリス農村政策の生成と変容(980)」、「イギリス労働党政権下の農村省構想(1007)」、「農村は誰のものか(1009)」で、保守党政権から労働党政権への政権交代とEUのCAP改革を経て、農村と農村政策がイギリスではどのように論じられてきたかに関して、「農村政策の遂行過程」では、「ルーラルプルーフィングとは何か(1013)」、「地域おこし支援者に求められる資質(989)」、「地域とは何か、地元とは何か(999-1000)」をもとに、農村政策の対象としての農村がどのように捉えられているかについてご説明いただきました。
最後に、「農村の展望:イギリスにおける農村の未来分析(982)」では、理解の前提としてイングランド農村は日本の農村とは全く異なる実状とイメージを持っている点への理解が必要であることが示されました。