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理事長の部屋:“減反廃止”でも続く価格統制 下落を前提に対策を講じよ

 米価低落の第一の要因は、生産調整が継続されても超過作付けが恒常化し、需要を上回るコメが毎年、生産されたことである。コメ過剰による価格下落と生産調整の強化の悪循環が続いている。  第二は、コメ消費は年々減少するとともに、コメは経済性を重視する商品に変化した。消費者のコメの購入基準は「価格」が約80%を占め、購入価格を低価格帯にシフトしている。拡大する外食・中食市場では価格競争が激しい。この動きは、グローバル化での食料消費と価格低下の動きの一環である。

国内のコメ余りは加速 Bloomberg

国内のコメ余りは加速
Bloomberg

 米価が下落した結果、各地の大規模経営体は、経営規模拡大が経営改善に結びついていない。この5~10年の間に、経営耕地規模を2~3倍、10~20ヘクタール程度、拡大しているが、米価下落による稲作所得減を、経営規模拡大で補填している構造である。

 コメ消費は今後、さらに減る。3月に閣議決定した「新食料・農業・農村基本計画」では2025年度の国内での主食用米の生産努力目標は、15年度より93万トン減の752万トンである。代わって、飼料用米を99万トン増の110万トンに拡大する計画である。

 コメ過剰が生じた場合には、価格維持はもはや困難である。11年にコメ価格センターが解散して以降、コメの指標価格は全農と卸との相対取引価格であった。しかし、12~13年は全農が高値に誘導したものの、その結果として在庫が積み上がり、反動が14年産の価格下落に表れた。

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