「意見ひろば」:食料自給率考

図2 総合食料自給率と米の消費量
資料:農林水産省「食料需給表」から筆者作成
注1:1人1日当たりの純供給量を示す。

図3 総合食料自給率と肉類の消費量
資料:農林水産省「食料需給表」から筆者作成
注1:1人1日当たりの純供給量を示す。
図2及び図3は、食料自給率と米の消費量及び肉類の消費量の推移を見たものであるが、食料自給率は、米の消費量とは明らかに相関関係が見られ、肉類の消費量とは逆相関の関係にあることが理解できる。ちなみに相関係数を見ても、米は0.9829、肉類は-0.9826と極めて強い相関、逆相関を示ので、農林水産省の説明とは一応つじつまが合う。
戦後のわが国食生活は、社会経済の変化とともに、あるいはそれ以上のスピードで洋風化が進み豊かになってきたことは誰も否定しない事実である。しかし、それが本当に食料自給率低下の主たる要因になっているのかとなると、そこには統計のマジックがある。